04 COFFEE テンセル™繊維混ノースリーブ
■フードロス豆などを使った珈琲染め
コーヒー豆の販売店で発生するフードロス豆やカフェで排出されるドリップ粕を染料として再利用して、ノースリーブを染めました。落ち着いたグレージュの色合いは、化学染料では出せない、天然染めならではの風合いに。
今回染め加工をお願いしたのは、東大阪にある福井プレスさん。1938年に創業した福井プレスさんは、染色加工・クリーニングを行う工場として社会や環境のために何ができるか、様々な可能性を模索されています。珈琲染めで使用した抽出後のコーヒー粕も、捨てずにさらに循環させようという試みをされています。
興味深い福井プレスさんの取り組みは、こちらのページで紹介しています。
■ 環境に配慮したテンセル™素材を使用
ノースリーブは、従来のリヨセルより約50%の温室効果ガス削減効果があるとされるテンセル™リヨセルとオーガニックコットンを使用したもの。
リヨセルの原料は木材。木材を原料として使用することは、場合によっては原生林の破壊やそれによる生物多様性の崩壊などを引き起こす恐れがあります。そういった持続可能ではない森林からの木材の調達を避けるために、テンセル™リヨセルを作っているレンチング社では認証を取得していることを基準とし、持続可能な原料調達に取り組んでいます。
※TENCEL™及びテンセル™はLenzing AGの商標です。
■ 着ていて安心の長めの丈
そのまま着用すると少し長めの丈はお尻が隠れるくらい。シンプルにデニムと合わせても、サイドにスリットが入っているので横から見た時に縦長のラインを演出します。ロングスカートなどボトムスにインするのもおすすめです。
■お手入れ方法・注意点
天然染めのため、基本的に着用していくうちに色味が変わっていきます。色落ちの懸念から、下記を推奨しています。
- 常温・中性洗剤・手洗い・同系色でのお洗濯を推奨
- 直射日光や乾燥機を避け、日陰や室内干しを推奨
また、この製品は元々「02 テンセル™繊維混ノースリーブ」を製品染めしたものです。
- 製品ごとに微妙な色ムラと濃淡が出るのが特徴です
- ポリエステルの縫い糸は白いままです
- 首元のプリントは服の雰囲気に合わせ、加工後に剥がしています(字が剥がれて読めない部分もあります)
商品写真は実物の色味が伝わるよう配慮していますが、お使いのパソコンやスマートフォンのモニター設定・ お部屋の照明や日光等により色の差異が感じられる場合がございます。
以上をご理解いただける方のみご購入をお願いいたします。
■ 配送について
毎週木曜正午までのご注文を翌金曜日に発送します。例)木曜日15:00にご注文の場合、発送は翌週の金曜日になります。
配送方法‥全国一律送料200円(税込)、1万円以上で送料無料。商品は対面ではなくクリックポストでの郵便受けへのお届けとなります。雨や汚れ防止のために、アパレル製品をご購入の方には透明カバー(CPP素材)をかけさせていただいておりますが、不要な方はカートに追加後『注文メモ』にて『プラスチックフリー』とご記入くださいませ。
CO+では、地球環境に配慮した梱包や配送を心がけております。ご不便をおかけしますが何卒ご協力をお願いいたします。
「04 COFFEE テンセル™繊維混ノースリーブ」のコーヒー染め加工をお願いしたのは、東大阪市にあるクリーニングと染色加工の会社、福井プレスさん。1938年に創業し、現在は3代目の福井伸さんが継いでいます。
福井プレスさんは、衣類の大量生産・大量廃棄やフードロス、食糧問題など様々な社会問題にアンテナを張りそこへのソリューションを提案しています。
例えば、服の染め直しができる「染め直し屋」。ファストファッションが流行し服を着る期間が短くなっている現代。汚れやシミがついてしまった服、色あせてしまった服。そのまま捨ててしまう方も多いのではないでしょうか。「染め直し屋」では、個人の方でも長く服を楽しめるようにと1着から染め直しを受け付けています。染め直すという選択肢を提供することで、長く愛着を持って服を着るカルチャーの提案をしています。
フードロス豆等を使ったコーヒー染め
コーヒー染めのきっかけは、ご家族の働くコーヒー焙煎工場を訪れたときに目に止まったチャフという廃棄物。染色ができないかと試してみたところ良い色が出たことから、事業化したところ、フードロスといった観点から徐々に引き合いが増えていったといいます。
コーヒー染めに使う染料は、消費期限の過ぎたコーヒー豆や焙煎時に出る廃棄物チャフ、豆を挽く時に出る粉砕片などで、主に東大阪市内のコーヒー店から回収し使用しています。
コーヒー染めの工程は他の草木染めの過程と同じように、まず染料を煮出して色素を出します。染める服や生地は汚れを落とした後、よく染まるように濃染処理を行います。処理後、服や生地を染料を煮出した液の中にいれて染色をします。すすぎをした後、色止めと発色の効果がある媒染をします。最後に、乾燥とプレスをしてコーヒー染めの服の完成です。
工程数の多さから、化学染料を用いた染色より3倍程の時間が必要となります。家庭でよく行われるような、ドリップ後の粕を使用したコーヒー染めと違い、フードロス豆や粉砕片を使用することで、濃い色合いに仕上げることが可能となります。
コーヒーかすでキノコを栽培
福井プレスさんがすごいのは、フードロス豆などの廃棄物でコーヒー染めをするだけでは終わらないところ。福井プレスさんでは、煮出した後のコーヒーかすも再利用しようと、コーヒーかすを培土として使用したキノコ栽培キットの開発に取り組んでいます。
元々は、煮出した後のコーヒーかすを肥料として使えないか検討していたと言います。しかし、堆肥化するには数ヶ月かかること、農家さんに使ってもらわなければならないこと、また堆肥化するには煮出した後の水分を含むコーヒーかすを完全に乾かさなければならないことなどハードルが高く、再利用の方法を色々と模索していたそうです。
そんな中、コーヒーかすを使ったキノコの家庭菜園がヨーロッパで行われていることを知ります。キノコ栽培の菌床は水分を必要とするのでまさにぴったりの素材だったというわけです。偶然にも、近畿大学にキノコの研究をしている方がいたことも、大きなきっかけとなりました。
近畿大学の協力の元、2021年の秋にはコーヒーかす培土でのキノコ栽培に成功。私たちの家庭に、コーヒーかすのキノコ栽培キットがやってくる日は近そうです。
サステナブルな循環の構築へ
実は福井プレスさんでは、麦芽かすや花びらなど染料となりそうな廃棄物をコーヒーかす以外にも受け入れています。しかし、すべての廃棄物がキノコ栽培に適しているわけではありません。そうなると、せっかく受け入れた廃棄物の行き場がなくなってしまいます。
そんな状況を打破したのが「バイオコークス」の存在です。みなさん、バイオコークスって聞いたことありますか?
バイオコークスというのは、お茶殻や果物の絞りかすなど植物性廃棄物のゴミを原料として作られる燃料です。原料が植物のためカーボンニュートラル*で、1000℃以上の高温で長時間燃焼できるため、製鉄に不可欠な石炭を代替できる環境に配慮したバイオ固形燃料として注目されています。
*二酸化炭素(CO2)の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態になる
バイオコークスを作っている企業からコーヒーかすが欲しいと福井プレスさんに声がかかり、コラボレーションが実現。バイオコークスという最終的な行き場があることで、様々な廃棄物の受け入れや大手コーヒーメーカーからの多量なコーヒーかすの受け入れも可能になったと言います。
今後は企業だけではなく、バーベキューなどのアウトドア用として一般の方にも販路を広げていきたいとお話されていました。
自らの関わる部分から着実に、循環型社会の実現へと取り組む福井プレスさん。柔軟な考えで、好奇心を持ち、可能性のありそうなことへトライする福井さんだからこそ、業界を超えた循環を作り上げていけるのではと感じました。
▼福井プレス公式サイト
https://fukuipress.com/