簡単に解説!GOTS認証とは 基準やオーガニックコットンの選び方について
GOTS認証という言葉を聞いたことはあるでしょうか?オーガニックコットンという言葉を知っている方は多いと思いますが、今日は一歩踏み込んでオーガニックコットンの認証ラベル、GOTS認証について簡単に解説していきます。
GOTS認証(読み方:ゴッツ)とは?
GOTS認証は、Global Organic Textile Standardの略で日本語では「オーガニックテキスタイル国際基準」と訳されます。テキスタイルに関するオーガニック認証ラベルで世界中で使われています。(テキスタイル=服やタオル、寝具など繊維製品を指します)
製品に使われているのが、間違いなくオーガニックコットンで、製品を作る過程でも有害な薬剤を使わない・きちんとした労働環境を整備する等、社会・環境などに配慮して作られた製品であることを証明するためのラベルです。
GOTS認証はなぜ必要?

オーガニックコットンと書いてあっても本当にオーガニックコットンかわからない
実は、農薬や化学肥料を極力使用せずに育てたオーガニックコットンも、農薬や化学肥料を大量に使用して育てたコットンも、収穫したコットンから検出される成分には差がなく判断ができません。そのため、本当にオーガニックコットンなのかどうかを知るためには栽培している農場に出向かないといけません。GOTS認証では農場まで行って監査を行っています。
オーガニックコットンと書いてあっても生地の何%がオーガニックコットンかわからない
また、製品にオーガニックコットンと書いてあっても100%オーガニックコットンなのか、5%だけオーガニックコットンで残りは普通のコットンなのか、これも私たち消費者には判断のしようがありません。もちろん、5%でもオーガニックコットンを使用しているのは素晴らしいのですが、GOTSは一定の%以上の含有率を達成すべきという考え方のようです。GOTS認証ラベルは、製品にどの程度オーガニックコットンが含まれているかを証明するためのラベルとしての役割もあります。そのためGOTS認証のラベルは、オーガニックコットンの含有率に応じた2種類のラベルがあります。
出典:Conditions for the use of GOTS Signs
“Organic”はオーガニックコットンが95%以上含まれているもの、”Made with [x]%”はオーガニックコットンが70%以上含まれているものにつけられます。それぞれ残りの5%や30%に使用する繊維についても決まりがあり、例えばリサイクルではないポリエステルやミュールシングされたウールなどは使用できません。
GOTS認証の基準

GOTS認証として認められるには、原料繊維の収穫〜加工〜製造〜流通などの全ての過程において環境・社会的に配慮した方法が実行されていること、一般製品との混合や汚染がないよう管理されていることが求められます。
具体的な基準としては、以下です。
【原料】70%以上がオーガニック
【一貫した認証】原料〜最終製品まで全ての工程をカバー
【有機製品精度】オーガニック以外の製品との混同、汚染がない管理
【残留物】最終製品に残留物がない
【環境配慮】水・エネルギーの使用や廃棄物に関しての環境目標を設置
【薬剤使用制限】廃水処理方法や生分解性の基準に基づき、毒性の強い薬剤を使用しない
【GM禁止】原料や助剤等に遺伝子組み換え技術は使用しない
【動物実験禁止】生体実験をしない
【雇用倫理】強制労働・児童労働の禁止
【労働環境】衛生的で安全な労働環境と搾取のない労働条件である
【差別禁止】差別禁止が実践されている
オーガニックコットン製品の選び方

上述したように、通常のコットンとオーガニックコットンでは検出される成分に差異がないからこそ、製品に使用されているコットンが本当にオーガニックなのかを担保するために認証が必要ということを述べてきました。そのため、オーガニックコットンの製品を購入したいときは、まず認証がついているかどうかをチェックすることをオススメします。今回紹介したGOTS認証以外にも、様々な認証ラベルがありますのでまた別の機会でご紹介できればと思います。
しかし、認証を取得するには費用も時間もかかります。小さな規模の農場や工場、企業は取得が難しいというのもまた実情です。認証ラベルがついていなくても、本当に信頼できると思っているブランドや企業があるのであれば、そこのオーガニックコットン製品もぜひ購入しましょう。
また農家の立場にたって考えてみるとわかるのですが、農薬に依存せずに害虫や病気を防ぎ栽培するオーガニックコットンは、手間がかかり、また不安の大きいものです。コットンからオーガニックコットンへの移行はハードルが高いにも関わらず、オーガニックコットンとして認めてもらうまでには数年かかります。この移行期間中を支えるプレオーガニックコットンというプロジェクトもあります。このような製品を見かけたら積極的に購入すると良いでしょう。また、GOTS自体もこの移行期間のサポートはしており、移行期間中のコットンは”in conversion”といったラベルがついたもので表示されています。
買い物で社会を変える
当たり前のように聞くようになったオーガニックコットンですが、世界のコットン生産量のうちオーガニックコットンはわずか約1%です。通常のコットンと比較して価格が高くなるという難点はありますが、買い物は未来への投票です。
CO+(コープラス)でも、GOTS認証マーク付きのオーガニックコットンTシャツを販売しています。興味がある方はぜひ覗いてみてください。